子犬の咬み合わせ、気になりませんか?
「歯がズレてる…」でも、焦らなくて大丈夫
子犬って、本当に毎日少しずつ変わっていきます。
昨日まで届かなかった場所に、今日は手が届いている。
昨日より体が大きくなっている。
顔つきも、毛の感じも、少しずつ「大人の犬」に近づいていく。
そして、実は歯や咬み合わせも成長とともに変化するものです。
子犬を迎えるとき、
「この子、下の歯が少し出ているけど大丈夫?」
「上の歯と下の歯がきれいに重なっていないけど問題ない?」
「成長したら治るの?」
そんな疑問を持つ方は少なくありません。
特に、子犬の口元は小さいので、ちょっとした歯のズレでも「大きな問題なのでは?」と心配になってしまいますよね。
でも、咬み合わせにはいくつかの種類があり、犬種によって「正常」とされる形も違います。
さらに子犬の場合は、成長途中だからこそ変化することもあります。
今回は、そんな「子犬の咬み合わせ」について、できるだけ分かりやすく解説していきます。
まず知っておきたい!犬の咬み合わせは4タイプ
犬の咬み合わせには、代表的なものとして次の4つがあります。
- 鋏状咬合(シザースバイト)
- 被蓋咬合(オーバーショット)
- 反対咬合(アンダーショット)
- 切端咬合(レベルバイト)
名前だけ聞くと、なんだか難しそうですよね。
でも、見方は意外とシンプル。
「上の歯と下の歯が、どのように重なっているか」
を見ることで、それぞれの違いが分かります。
➀鋏状咬合(シザースバイト)
「ハサミみたい!」これが基本のシザースバイト
名前の通り、上の歯と下の歯がハサミのように噛み合う咬み合わせです。
一般的な犬では、上の前歯が下の前歯より少し前に出ていて、上下の歯がきれいに重なります。
イメージとしては、
「上の歯が少し前、下の歯が少し後ろ」
という感じ。
犬の咬み合わせとして、基本的な形のひとつです。
ただし、ここで覚えておきたいのが、
「すべての犬種が鋏状咬合なら正常」というわけではない
ということ。
犬種によって、理想とされる咬み合わせは異なります。
②被蓋咬合(オーバーショット)
「上の歯が前に出ている」オーバーショット
これは、上の歯が下の歯よりも大きく前に出ている状態。
人間でいう「出っ歯」に少し近いイメージです。
子犬を見ていると、
「なんだか上の歯が前に出ている?」
と感じることがあります。
ただ、子犬の場合はここで慌てないことも大切。
成長途中では、顎の成長のバランスによって咬み合わせが変化することがあります。
つまり、
「今ちょっとズレている=一生このまま」
とは限らないのです。
③反対咬合(アンダーショット)
「下の歯が前に出ている」アンダーショット
こちらはオーバーショットとは反対で、
下の歯が上の歯より前に出ている状態
です。
いわゆる「受け口」に近い咬み合わせですね。
犬種によっては、この咬み合わせが犬種として認められている場合もあります。
そのため、
「下の歯が出ているから異常!」
と一概には言えません。
ここが、人間の感覚だけで判断すると分かりにくいところです。
犬の咬み合わせは、
「その犬種ではどうなのか?」
という視点も非常に重要なんです。
例えば・・・シーズーとかパグ、ブルドッグはこの咬み合せが正常なんですよ。
④切端咬合(レベルバイト)
「上下の歯がピタッ!」のレベルバイト
これは上下の前歯の先端が、ほぼ同じ位置で噛み合う状態です。
イメージすると、
上の歯 → ↓
下の歯 → ↑
という感じで、上下の歯の先端が「カチッ」と合うイメージ。
これも、犬種や個体によって評価が変わります。
因みに・・・キャバリアやコーギーなどはこの咬み合せは正常とされています。
つまり、咬み合わせを判断するときには、
「どのタイプか」だけではなく、「どの犬種なのか」「どの程度なのか」
を見る必要があります。
まとめ
「正常」と「異常」は、実はそんなに単純じゃない
ここが今回、一番お伝えしたいポイントです。
犬の咬み合わせは、
正常 or 異常
とスパッと二つに分けられるものではありません。
犬種によって理想的な咬み合わせが違いますし、個体差もあります。
さらに子犬の場合は、まだ成長途中。
顎や歯が成長していく中で、
「今は少し気になるけれど、成長とともに正常な範囲に近づいていく」
こともあれば、反対に、
「今は問題なさそうだったのに、成長して咬み合わせに変化が出てきた」
ということもあります。
まるで子どもの成長と同じです。
昨日まで着られた服が、今日はもう小さい。
そんなふうに、子犬の体はどんどん変わっていきます。
歯や顎も、その成長の途中にあるんですね。
「咬み合わせが悪い=生活できない」ではありません
「咬み合わせがズレていたら、ご飯を食べられないの?」
ここも、よく心配されるところです。
実際には、極端な異常でなければ、咬み合わせに多少の違いがあっても普通に生活している犬はたくさんいます。
ご飯を食べる。
おもちゃで遊ぶ。
おやつを食べる。
元気に走り回る。
そんな日常生活に、特に問題がないことも珍しくありません。
一方で、咬み合わせのズレが大きい場合には注意が必要です。
例えば、
- 歯が歯ぐきや口の中に当たっている
- 口を閉じにくそう
- 食べにくそうにしている
- 食事中に痛がる
- 口の中に傷ができている
- 歯の位置によって他の歯や組織を傷つけている
といった場合には、動物病院で相談したほうが安心です。
大切なのは、
「歯が少しズレているか」だけではなく、「そのズレによって困っていることがあるか」
を見ることです。
子犬の咬み合わせは「今」だけで決めつけない
子犬を迎えるとき、
「この子の歯は大丈夫かな?」
と気になるのは当然です。
でも、子犬はまだ完成形ではありません。
特に乳歯から永久歯へ生え変わる時期には、口の中の環境も大きく変わります。
だからこそ、
「今の状態だけを見て、将来を決めつけない」
ことも大切です。
もちろん、明らかに大きなズレがある場合や、口の中を傷つけている場合などは早めの確認が必要です。
ただ、
「少し下の歯が出ている」
「上下の歯が完全には揃っていない」
というだけで、必要以上に不安になる必要はありません。
最後に。「完璧な咬み合わせ」だけが大切じゃない
子犬を迎えるとき、私たちはつい、
「毛色はきれいかな?」
「体型はどうかな?」
「歯はちゃんと揃っているかな?」
と、いろいろなところが気になります。
もちろん健康面のチェックは大切です。
でも、犬は人間が作った定規で測ったように、全員が同じ形になるわけではありません。
目の形も違う。
耳の大きさも違う。
毛の生え方も違う。
そして、咬み合わせだって、その子によって違います。
大切なのは、見た目だけで「良い・悪い」を決めつけるのではなく、
その子が痛みなく、食べて、遊んで、元気に暮らせているか。
そこをしっかり見てあげること。
もちろん、気になることがあれば獣医師に相談してOKです。
「大丈夫かな?」と思ったら確認する。
それだけでも、飼い主さんの安心につながります。
子犬の成長は、驚くほど早いもの。
今日ちょっと気になった歯並びが、数ヶ月後には変わっていることだってあります。
だからこそ、焦らず、成長を見守ってあげてください。
咬み合わせも、その子の「個性」のひとつ。
もちろん、健康に影響するような問題があれば適切なケアが必要ですが、そうでなければ「ちょっと個性的な歯並びだね」と、愛情を持って受け入れてあげることも大切です。
完璧じゃなくてもいい。
その子だけの個性を丸ごと愛してあげる。
それも、子犬を家族に迎えるということなのかもしれません。


コメント